मेधा
[medhā]
私たちにとって、とても大事なものです。
また、恩師が私にくれた名前でもあります。
メーダー(मेधा [medhā])とは、知性の女神の名前として良く知られています。
芸術と学問の女神サラッスヴァティーと同じと考えて良いですが、
サラッスヴァティーは白いサリーを着て、スパティカ(水晶)のマーラー(数珠)を
持っている姿で描かれるのに対して、
メーダーには特に描かれる姿がありません。
絵柄によって姿が描かれないヒンドゥーの神様って珍しいですね。
一般的に「メーダー」と言うと、
「メーダー・シャクティ」、つまり「記憶力」と解釈されます。
しかし、より伝統的な解釈では、
メーダー・シャクティには3つの側面があると言われます。
1.多くの情報から正しい意味を素早く把握する力。理解力
一度言われただけで分かる人、何回言われても分からない人、
すぐに状況が飲み込める人、そうで無い人、
見た目だけでなく、その裏にある真実を見抜ける人、見かけで騙される人、
速く学び上達する人、そうでない人、
この差を作っているのが、メーダー・シャクティの一番目の能力、
Grasping Powerと言われる、把握力、理解力です。
2.理解したことを保持する力。記憶力
理解しても、すぐ忘れてしまったら意味がありません。
現代人には「私には記憶力が無い!」と言い張る人が多いですが、
本当は、記憶力というものは誰にでもあるものです。
しかし、それを発揮するには、メーダー女神のグレースが必要なのです。
私はインドでサンスクリット文法を教えている身ですが、
現代人は、理解に重きをシフトした分、
繰り返し&暗記ベースの学習アレルギーを持つ人が多いように思います。
現代人というよりも、伝統の暗記ベースの学習法に敬意を持っていない人達、
って言うほうが正しいですね。
現代人でも覚えることの大切さを知っている人は沢山いるので。
「私には記憶力が無い」という生徒に、
「でも、記憶するために5分でも努力したことある?」
と聞き返したら、返ってくる答えは必ず「NO」です。
記憶出来ないのではなくて、記憶する努力をしたことがないだけなのです。
それなのに「私には記憶力が無い」というのは、真実に沿った発言とは言えません。
「記憶するなんて面倒くさい、それに価値が見出せない」と言うほうが正直です。
暗記するプロセスは、心のあり方を学ぶプロセスです。
そのことに気付くことにも相当のグレースが必要です。
3.覚えたことを、必要な時に取り出せる力。
せっかく覚ても、ここぞ!という時、特に人前で話す時など、
大事な時に限って、出てこない!
ってことは誰にでも良くあることです。
これかそ、メーダー女神のグレースが必要なシャクティですね。
有名なヴェーダのマントラ「メーダー・スークタム」があります。
日本にいる人がチャンティングをするのはまず無理ですから、聞くのが良いでしょう。
Googleでざっと検索しましたが、本当にウェブ上にあるヴェーダのマントラのチャンティングって、
めちゃくちゃな間違った発音のものばかりです!
間違った発音は不本意な結果を招くので気をつけて下さい!
10種類以上ある中、いろいろ聞いてみて、ちゃんとしてると思えたのはこれだけです。
しかし、最後の「マイ メーダーム」のいいところが収録されていない!
私が住んでいるアシュラムの主要なデーヴァターは、
「メーダー・ダクシナームールティ」です。
ヴェーダーンタの勉強に必要なのは、メーダーですから!
恩師がこのアシュラムを建立したときに、このデーヴァターに決めたそうです。
メーダー・ダクシナームルティに手をあわせて、
メーダー・シャクティを願うだけでも、充分でしょう。
ओं नमो मेधादक्षिणामूर्तये मह्यं मेधां प्रज्ञां प्रयच्छ स्वाहा ।
oṃ namo medhādakṣiṇāmūrtaye mahyaṃ medhāṃ prajñāṃ prayaccha svāhā |
<< 目次へ戻る <<
<< 前回 61.ハリ(हरिः [hariḥ]) <<
私達の辛さ苦しさを原因ごと持って行ってくれる、
ヴィシュヌの別名、ハリについて。
>> 次回 63.サムサーラ(संसारः [saṃsāraḥ])>>
サンサーラの本当の意味。
ヴェーダが信仰ベースの宗教では無い所以。
他宗教との比較など。
文法の好きな方用:
मेधते सङ्गच्छते अस्याम् इति मेधा
properly understand
[medhā]
feminine - 知性、知力、知性の女神の名前
私たちにとって、とても大事なものです。
また、恩師が私にくれた名前でもあります。
知性の女神
メーダー(मेधा [medhā])とは、知性の女神の名前として良く知られています。
芸術と学問の女神サラッスヴァティーと同じと考えて良いですが、
芸術と学問の女神サラッスヴァティ。 両手に持っているのは古典楽器のヴィーナ。 スパティカ・マーラーとヴェーダの文献を持っている。 |
サラッスヴァティーは白いサリーを着て、スパティカ(水晶)のマーラー(数珠)を
持っている姿で描かれるのに対して、
メーダーには特に描かれる姿がありません。
絵柄によって姿が描かれないヒンドゥーの神様って珍しいですね。
知力(メーダー・シャクティ)
一般的に「メーダー」と言うと、
「メーダー・シャクティ」、つまり「記憶力」と解釈されます。
しかし、より伝統的な解釈では、
メーダー・シャクティには3つの側面があると言われます。
1.多くの情報から正しい意味を素早く把握する力。理解力
一度言われただけで分かる人、何回言われても分からない人、
すぐに状況が飲み込める人、そうで無い人、
見た目だけでなく、その裏にある真実を見抜ける人、見かけで騙される人、
速く学び上達する人、そうでない人、
この差を作っているのが、メーダー・シャクティの一番目の能力、
Grasping Powerと言われる、把握力、理解力です。
2.理解したことを保持する力。記憶力
理解しても、すぐ忘れてしまったら意味がありません。
現代人には「私には記憶力が無い!」と言い張る人が多いですが、
本当は、記憶力というものは誰にでもあるものです。
しかし、それを発揮するには、メーダー女神のグレースが必要なのです。
私はインドでサンスクリット文法を教えている身ですが、
現代人は、理解に重きをシフトした分、
繰り返し&暗記ベースの学習アレルギーを持つ人が多いように思います。
現代人というよりも、伝統の暗記ベースの学習法に敬意を持っていない人達、
って言うほうが正しいですね。
現代人でも覚えることの大切さを知っている人は沢山いるので。
「私には記憶力が無い」という生徒に、
「でも、記憶するために5分でも努力したことある?」
と聞き返したら、返ってくる答えは必ず「NO」です。
記憶出来ないのではなくて、記憶する努力をしたことがないだけなのです。
それなのに「私には記憶力が無い」というのは、真実に沿った発言とは言えません。
「記憶するなんて面倒くさい、それに価値が見出せない」と言うほうが正直です。
暗記するプロセスは、心のあり方を学ぶプロセスです。
そのことに気付くことにも相当のグレースが必要です。
3.覚えたことを、必要な時に取り出せる力。
せっかく覚ても、ここぞ!という時、特に人前で話す時など、
大事な時に限って、出てこない!
ってことは誰にでも良くあることです。
これかそ、メーダー女神のグレースが必要なシャクティですね。
メーダー女神のグレースを得るには
有名なヴェーダのマントラ「メーダー・スークタム」があります。
日本にいる人がチャンティングをするのはまず無理ですから、聞くのが良いでしょう。
Googleでざっと検索しましたが、本当にウェブ上にあるヴェーダのマントラのチャンティングって、
めちゃくちゃな間違った発音のものばかりです!
間違った発音は不本意な結果を招くので気をつけて下さい!
10種類以上ある中、いろいろ聞いてみて、ちゃんとしてると思えたのはこれだけです。
しかし、最後の「マイ メーダーム」のいいところが収録されていない!
私が住んでいるアシュラムの主要なデーヴァターは、
「メーダー・ダクシナームールティ」です。
ヴェーダーンタの勉強に必要なのは、メーダーですから!
恩師がこのアシュラムを建立したときに、このデーヴァターに決めたそうです。
これは、アメリカのセーラースブルグのアシュラムの メーダー・ダクシナームルティ |
メーダー・シャクティを願うだけでも、充分でしょう。
ओं नमो मेधादक्षिणामूर्तये मह्यं मेधां प्रज्ञां प्रयच्छ स्वाहा ।
oṃ namo medhādakṣiṇāmūrtaye mahyaṃ medhāṃ prajñāṃ prayaccha svāhā |
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<< 前回 61.ハリ(हरिः [hariḥ]) <<
私達の辛さ苦しさを原因ごと持って行ってくれる、
ヴィシュヌの別名、ハリについて。
>> 次回 63.サムサーラ(संसारः [saṃsāraḥ])>>
サンサーラの本当の意味。
ヴェーダが信仰ベースの宗教では無い所以。
他宗教との比較など。
文法の好きな方用:
मेधते सङ्गच्छते अस्याम् इति मेधा
मेध् सङ्गमने + अङ् + टाप्
properly understand