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2017年7月16日日曜日

ジュニャーナ?ギャーナ?ニャーナ?ज्ञान [jñāna] の発音はどうするべきか?


サンスクリット語は基本的に、書いたとおりに発音します。

ज्ञान [jñāna]の発音を説明するにあたって、
カタカナで表現できる音には限界があるので、
カタカナを使って説明を試みても正しい発音には辿り着かないので、
サンスクリットの発音の詳細をシステマッティックに紹介している
शिक्षा [śikṣā]という小さな文献をマスターすれば、
正しい発音が何か自然と導かれます。

拙著にशिक्षा [śikṣā]を詳しく分かり易くまとめているので、
参考にされてみるのも良いと思います。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B01EHY4G54/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B01EHY4G54&linkCode=as2&tag=blogsyahooc0b-22
わかりやすいサンスクリット語の正しい発音と表記
詳しい理論解説 発音矯正指導 動画・音声付き Kindle版もあります


ジュニャーナ、ギャーナ、そして私が使っているニャーナ、
全てのカタカナ表記は妥協策です。
ज्ञान [jñāna]を表すのに、
ジュニャーナ[jyunyāna] 、ギャーナ[gyāna]、ニャーナ[nyāna]
カタカナではどれも一致しませんね。

私がジュを前に付けなかった理由は、
jは、後ろのñの影響でただでさえ聞こえにくいのに、
そこにyとさらに母音のuまで付けて、
jという半拍の子音を
0.5(j)+0.5(y)+1(u)(母音は1拍)=2拍(jyu, ジュ)
で表すのはtoo muchかな?
と思っただけです。

jは英語のknowのkのようなサイレントではないのですが、
(でも普通は殆ど聞き取れないくらいに、後ろのñに飲み込まれています。)
カタカナで書く以上、どこかで妥協せざるを得ないので、ニャーナとしています。

サンスクリットをカタカナで書くこと自体に違和感があるのですが、
日本の一般の人に向けて発信する時にはカタカナ表記無しではコミュニケーションは難しいので、
それならば、他の人とは違うことをやって、
考える人には?と思ってもらいという願いから、ニャーナというカタカナ表記にしました。

ギャーナはインド人の殆どがそう発音しますが、
gutturalの音が入っているので、
शिक्षा [śikṣā] という、サンスクリットの正しい発音をまとめた文献と照らし合わせると、
それは間違いとなります。
それでも通じるので、通じればOKだとしたら、
それが他のものと混同されにくいという点では良いですが。

शिक्षा [śikṣā] はとても小さな文献で、
サンスクリットに関するあらゆるものを学ぶ上で一番基本的なものなので、
とても簡単でシステマティックなアイディアなので、
サンスクリットを学ばれる最初に押さえておくと良いです。

大多数の人がここを明瞭にせずに先に進んでいるのが現状ですが。

शिक्षा [śikṣā] で教えられている、どこを引き締めて音を出しているのか、
その部分をどうやって使っているのか、
という、スターナとヤットナというアイディアを押さえれば、
自然と正しい発音とは何かが導かれるので、

このような「ジュニャーナ?ギャーナ?ニャーナ?」
といったサンスクリットの音に関する疑問を持つことが無くなりますし、
どうしてこうなったのかも説明するときに、コミュニケーションがしやすくなります。


以前にもいくつか記事を書いたのでご参考にしてください。
71.ニャーナ(ज्ञानम् [jñānam])- (意味1:) 知る手段 
73.ニャーナ(ज्ञानम् [jñānam]) - ちなみに発音について 


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2016年3月23日水曜日

76.サンスクリット(संस्कृतम् [saṃskṛtam]) - ヴェーダの言語

今回は、サンスクリットとインドに関する、

当たり前と思っていたけど当たり前ではなかった事実を4つ紹介しますね。

その1.
サンスクリットは、サンスクリット語ではサンスクリットではない

その2.
もともとあるのはサンスクリットなので、もともとサンスクリットなんて無い

その3.
インドはインドではインドでない

その4.
ヒンドゥーはヒンドゥーではヒンドゥーとは言わない 


では、ひとつひとう見ていきましょう。


事実 その1:

サンスクリットは、サンスクリット語ではサンスクリットではない


じゃあ、何なのでしょうか。

最後にちゃんと म् をつけて下さい。
現代インドでは、12億総サンスクリット語オンチ現象が蔓延してます。



サンスクリットを、サンスクリット語で書くと、

サムスクリタム(संस्कृतम् [saṃskṛtam])となります。

私達が普段使っている、「サンスクリット」とは、

サムスクリタム[saṃskṛtam]が、英語風に訛ってサンスクリット[sanskrit]になったものを、

カタカナで表記しているのです。

ちょうど、サンスクリット語の言葉、ヨーギニー[yoginī]が、英語で「ヨギーニ」に訛り、

それが日本でカタカナで使われているのと同じような現象です。

(詳しくは「サンスクリットは発音が大事!」のコラムをどうぞ。)


最後をアヌッスヴァーラ(上の点)で終わらせるのも、
サンスクリット語ではあってはならないことです。
これも、12億総サンスクリット語オンチ現象のひとつです。
原因のひとつは、サンスクリットから堕落して派生したヒンディーなどの言語と
混ざってしまっていることです。
なりよりまず、人間のだらしなく考る傾向が一番の原因です。


事実 その2:

もともとあるのはサンスクリットなので、

もともとサンスクリットなんて無い

 
またまた謎めいたタイトルですが、これもちゃんと意味が通っています。

サンスクリットとは、「洗練された(言語)」 という意味です。


「洗練された」言語があるなら、それは「洗練されていない」言葉の存在が前提になっています。

精製米という名前がつくのは、無精製米があるからです。

全世界の米というものは全て、自然な状態から既に精製米だったら、

わざわざ「精製」と付けなくても、「米」という名前だけでよいはずです。


同じような理由から、サンスクリットという名前も、

相対的な名前であって、それ自身では名前を必要しないのです。

 

ヴェーダの言語、サンスクリット


この宇宙は、生れては消えゆくという、創造と破壊をを延々と繰り返しています。

その始まりも終わりも無い想像と破壊のサイクルの中では、

人間のような自由意志を持った生命体が、あちらこちらで出現します。

人間の出現には必ず、ヴェーダの出現が伴います。

そして、ヴェーダの言語はサンスクリット語と決まっているのです。

創造担当のブランマージも、ちゃんとヴェーダを持っています。
四つの顔を持つブランマージ自体がヴェーダと創造の象徴です。 


ヴェーダ自身からの視点では、自らの言葉自体が言語そのものなので、

自分の言葉のことを、わざわざ「サンスクリット語」と呼ぶ必要がありません。

別の言語が出てきて始めて、それと区別する為の言葉が必要になるのです。



 
サンスクリット(洗練された言語)から見て、

そんなに洗練されていない言語は、

プラークリタ(自然のままの、つまり精製・加工されていない)と呼ばれます。

ヴェーダの言語、つまり、人間の言語というものは、サンスクリットであり、

それが劣化した言語を、本来の言語と比較して、プラークリタと呼ぶのです。


ヴェーダは毎回必ずサンスクリット語



ヴェーダの言語はどの回の創造でも、毎回サンスクリット語と決まっているそうです。

「サンスクリット語勉強するの面倒だから、

ヴェーダが日本語で出現するカルパ(創造の単位)を待って、その時に生まれ変わってから、

ヴェーダーンタの勉強すればいいや」

という考え方は出来ません。

そう言う訳で、サンスクリット語の勉強は、

来世に先延ばしせず、今生で勉強しましょうね。




ちなみに、「日本」 も相対的な名前です。

日のもと、つまり東側に位置する国、ということは、

西側で日の出を拝んでいる人達、つまり大陸側の人から見た名前です。



サンスクリット語が洗練されているという訳


私は、サンスクリット文法の講師であり、

元在米プログラマ・SEで、パーニニ・スートラの講師でもあるので、

これについて語りだすと止まりません。

でも、簡単に言うと、サンスクリット語の言葉は、

まず発音がはっきりしている。そして発音システムが確立されている。

そして、サンスクリット語の単語は、きちんと種類分けされた有限数のパーツから、

これまたきちんと分類された有限数の規則を、規則正しい順番で応用することにより、

文法的派生を説明できるという特性があります。

これらの真価を味わうには、まずは発音からきちんと学ぶ必要があります。

イーシュワラとは何かを教えるヴェーダの伝統の知識は、

サンスクリット語の発音ひとつひとつに、自分という小さな個人と、

イーシュワラという全宇宙の知識体が、全く離れていない、

ひとつの存在であることを証明し、その事実を自分のものにしてくれます。

本場インドの3年半コースでサンスクリット語講師を担当させていますが、

いまだに一番の基本である「ア」「アー」「イ」「イー」を

新しく来る人達に、興奮と共に教えられるのは、

このサンスクリット語の発声システムという、「イーシュワラの知識」 を、

自分の体で実感してもらえるからです。



事実 その3:

インドはインドではインドでない


この一見意味の分からないセンテンス、まさにインドですね!

ナンセンスのように見えて、実はそこには深い意味がある。これもインドですね。


インドでは、自分の国のことを「バーラタ(भारत [bhārata])」と呼びます。


ラーマの弟のバラタが、ラーマの帰りを待ちながら、

ラーマのパードゥカー(サンダル)に毎日プージャーしながら、

ラーマの代わりに誠実に治めた国が、

バラタの末裔と言う意味の「バーラタ」となり、

それが、インドの国名となっています。
 
パードゥカー・プージャ-
ちなみに、「インド」「インディア」は、

シンドゥ(सिन्धुः [sindhuḥ])という川の名前から来た、西洋人がつけた名前です。


そして、もうひとつちなみに、Japanと日本は同じです。

「日本」 の中国語読みの西洋諸国語(ポルトガル?)訛りがJapanの由来です。




事実 その4:

ヒンドゥーはヒンドゥーではヒンドゥーとは言わない 


さらには、「ヒンドゥー教」なるものすらもないのです。

宇宙に遍在する物理の法則を、宗教と呼ぶことは出来ないのと同じです。

ヒンドゥーの人々は、宇宙に遍在する法則の全てを、

「サナータナ・ダルマ(सनातन-धर्मः [sanātana-dharmaḥ])」と呼びます。

直訳すると「永遠・恒久の在り方」です。

火に指をつっこむと火傷を負う。

他の生き物を痛めつけると、回りまわって結局自分も痛い思いをする。

宇宙の在り方に逆らわず、調和しながら生きることが、

人間として成長する方法なのだと教え、

人間として成長した人には、人間として生まれてきた意味を教えるのが、

ヴェーダなのです。

ヒンドゥーも、シンドゥ(सिन्धुः [sindhuḥ])という川の名前から来た名前です。




<< サンスクリット語一覧(日本語のアイウエオ順) <<

こちらも:
サンスクリットを習い始めた人に、どうか知って欲しいあれこれ 

50.ヴェーダ(वेदः [vedaḥ])- 知る手段
http://sanskrit-vocabulary.blogspot.in/2015/03/vedah.html
24.カーラ(कालः [kālaḥ])- 時間


2015年2月10日火曜日

サンスクリットの正しい発音 (母音編)

サンスクリットは発音が肝心です。

多くの日本人生徒にチャンティングを指導した経験に基づき、
気付いた点を分かりやすく説明をつけてみました。

正しい発音の習得は必ず伝統的訓練を受けた先生から学びましょう。


サンスクリット語の発音表

アルファベットをクリックすると、その音から始まる単語の一覧へリンクします。
デーヴァナーガリー
IAST表記
発音
a
日本語の「あ」と同じ
口を大きく開けて
「あー」と2拍分のばす
i
口角を横にひっぱって「イ」
「イ」を2拍分のばす
u
唇をすぼめて「ウ」
「ウ」を2拍分のばす
唇を動かさずに巻き舌
2拍分のばす
l̥
英語のLの音
e
口角を横にひっぱって
「エー」と2拍分のばす
o
唇をすぼめて
「オー」と2拍分のばす
はっきり「アイ」
はっきり「アウ」

サンスクリット/ローマ字対応表にくっつけたかったけど、
HTMLの表の編集が難しかったので、別表にしました。



サンスクリットの表記文字を勉強するのにも、
良い学習教材が無い!
と常日頃思っていたので、自分で作りました。



スマホやタブレット、PCから
正しい発音の音声と、書き順の動画が確認出来る
電子書籍版も人気です。





サンスクリットは発音が大事!
「ヨガ」は「ヨーガ」、「ヨギ」は「ヨーギー」、
「ヨギーニ」は「ヨーギニー」です。
サンスクリットは発音が大事!第2弾「ハリオ~ム」は「ハリヒ・オーム」

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サンスクリット語 デーヴァナーガリー文字 
練習帳 & 問題集
 
 わかりやすいサンスクリット語の正しい発音と表記
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早く読み書きできるようになるための問題集です。

 
 初心者にはわかりづらい、連続した子音文字について、
よく見かけられるもの、そして応用の利くものを集め、
豊富な例と共に紹介しています。
お祈りの句の書き写しの練習も紹介しています。