サンスクリット語は基本的に、書いたとおりに発音します。
ज्ञान [jñāna]の発音を説明するにあたって、
カタカナで表現できる音には限界があるので、
カタカナを使って説明を試みても正しい発音には辿り着かないので、
サンスクリットの発音の詳細をシステマッティックに紹介している
शिक्षा [śikṣā]という小さな文献をマスターすれば、
正しい発音が何か自然と導かれます。
拙著にशिक्षा [śikṣā]を詳しく分かり易くまとめているので、
参考にされてみるのも良いと思います。
わかりやすいサンスクリット語の正しい発音と表記
詳しい理論解説 発音矯正指導 動画・音声付き Kindle版もあります
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ジュニャーナ、ギャーナ、そして私が使っているニャーナ、
全てのカタカナ表記は妥協策です。
ज्ञान [jñāna]を表すのに、
ジュニャーナ[jyunyāna] 、ギャーナ[gyāna]、ニャーナ[nyāna]
カタカナではどれも一致しませんね。
私がジュを前に付けなかった理由は、
jは、後ろのñの影響でただでさえ聞こえにくいのに、
そこにyとさらに母音のuまで付けて、
jという半拍の子音を
0.5(j)+0.5(y)+1(u)(母音は1拍)=2拍(jyu, ジュ)
で表すのはtoo muchかな?
と思っただけです。
jは英語のknowのkのようなサイレントではないのですが、
(でも普通は殆ど聞き取れないくらいに、後ろのñに飲み込まれています。)
カタカナで書く以上、どこかで妥協せざるを得ないので、ニャーナとしています。
サンスクリットをカタカナで書くこと自体に違和感があるのですが、
日本の一般の人に向けて発信する時にはカタカナ表記無しではコミュニケーションは難しいので、
それならば、他の人とは違うことをやって、
考える人には?と思ってもらいという願いから、ニャーナというカタカナ表記にしました。
ギャーナはインド人の殆どがそう発音しますが、
gutturalの音が入っているので、
शिक्षा [śikṣā] という、サンスクリットの正しい発音をまとめた文献と照らし合わせると、
それは間違いとなります。
それでも通じるので、通じればOKだとしたら、
それが他のものと混同されにくいという点では良いですが。
शिक्षा [śikṣā] はとても小さな文献で、
サンスクリットに関するあらゆるものを学ぶ上で一番基本的なものなので、
とても簡単でシステマティックなアイディアなので、
サンスクリットを学ばれる最初に押さえておくと良いです。
大多数の人がここを明瞭にせずに先に進んでいるのが現状ですが。
शिक्षा [śikṣā] で教えられている、どこを引き締めて音を出しているのか、
その部分をどうやって使っているのか、
という、スターナとヤットナというアイディアを押さえれば、
自然と正しい発音とは何かが導かれるので、
このような「ジュニャーナ?ギャーナ?ニャーナ?」
といったサンスクリットの音に関する疑問を持つことが無くなりますし、
どうしてこうなったのかも説明するときに、コミュニケーションがしやすくなります。
以前にもいくつか記事を書いたのでご参考にしてください。
71.ニャーナ(ज्ञानम् [jñānam])- (意味1:) 知る手段
73.ニャーナ(ज्ञानम् [jñānam]) - ちなみに発音について
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