ऐश्वर्यम्
[aiśvaryam]
前回のऐक्यम् [aikyam] アイキャ と同じように派生した言葉です。
「ईश्वर [īśvara] イーシュワラ」(権力者)という言葉に、
「ष्यञ् [ṣyañ] 」(~である事)という接尾語が付いて、
ऐश्वर्य [aiśvarya] (アイシュワリヤ)になります。
「ष्यञ् [ṣyañ] 」(~である事)という接尾語で終わる言葉は、
中性名詞と決まっているので、
ऐश्वर्यम्, ऐश्वर्ये, ऐश्वर्याणि ... と中性名詞の活用をします。
「ईश्वर [īśvara] イーシュワラ」という言葉の意味は、前に勉強しましたが、
それに(~である事)という接尾語が付くと、どのように使われるのでしょうか。
「バガヴァーン」の定義に、ऐश्वर्य [aiśvarya] (アイシュワリヤ)が出てきます。
バガヴァーンとは、文字通りに解釈すると、”「バガ」を持っている者”となります。
では、その「バガ」とは何ぞや?という事になりますね。
「バガ」の意味とは、、、
その1:
ऐश्वर्यस्य समग्रस्य धर्मस्य यशसः श्रियः ।
ज्ञानवैराग्ययोश्चैव षण्णां भग इतीरणा ॥
aiśvaryasya samagrasya dharmasya yaśasaḥ śriyaḥ |
jñānavairāgyayoścaiva ṣaṇṇāṃ bhaga itīraṇā ||
この宇宙にある全ての、そして絶対的な、以下の6つの要素のことを「バガ」と呼びます。
「個人レベル」から、この6つを見てみましょう。
個人とは、沢山の好き嫌い=限度にまみれているので、公平さに欠けます。
全体の場合はその問題がありません。
これら6つの全体、そして絶対的レベルで有しているのが、バガヴァーンです。
その2:
話はぜんぜん変わりますが、南インドのケララ州の家庭の多くでは、
家屋の上部に、ラクシュミーの絵が飾られてあり、そこには、
「この家は、ラクシュミーのアイシュワリヤによって成り立っています」
と書かれているそうです。
伝統的なインドの文化では、結婚生活や、家庭を守っていく上で、
祈りの姿勢、つまりは「グレース」を認識する姿勢が、強調されています。
これも、家族や社会が、個人の為にうまく機能するための、ヴェーダ文化の智恵なのです。
結婚関係や家族関係が、
"個人の熱情や欲求を満たす事を目的とした関係”
ではなく、
"幸せを与えあいながら、成長できる関係”
として認識するには、ある程度の自分や世界についての理解が必要です。
自分は本当は何を求めているのか?
人間としての本当のゴールとは?
世界は、私に対して、何の為にあるのか?
などの理解です。
どんな人間関係でも、そこに幸せや安定を探しているうちは、
いい気分と、がっかりした気分を交互に味わい続けるしかありません。
「世界全体」という、もっと大きなヴィジョンを持つ為に、「祈り」があります。
大きなヴィジョンを持ちながら、人間関係を築く時、そこには、
責任感があり、宇宙全体に対する信頼感があり、
本当の意味での、心の平和があります。
このような祈りを思い出させてくれるような習慣が、
家庭の中で代々伝わっている文化は素晴らしいです。
この文化がこれからも伝わりますように。
== ऐश्वर्यम् [aiśvaryam] - アイシュワリヤ が使われている文献 ==
ダクシナームールティ・ストートラム 最終節
सर्वात्मत्वमहाविभूतिसहितं स्यादीश्वरत्वं स्वतः
सिद्ध्येत् तत्पुनरष्टधा परिणतं चैश्वर्यमव्याहतम् ।
sarvātmatvamahāvibhūtisahitaṃ syādīśvaratvaṃ svataḥ
siddhyet tatpunaraṣṭadhā pariṇataṃ caiśvaryamavyāhatam |
ダクシナームールティ・ストートラムについて、プージャスワミジのレクチャーを元に、
意味だけでなく、文法的詳細を展開した本を書きました。
書き出すと長くなるので、この節の意味はまた今度。。。
<< 前回の言葉 17.ऐक्यम् [aikyam] - アイキャ <<
ひとつであること
>> 次回 19.アウシャディー औषधी - [auṣadhī] >>
薬草、ハーブ、野菜、食べ物を表すサンスクリットの言葉です。
[aiśvaryam]
neuter - 権力者であること
アイシュワリヤの語源
前回のऐक्यम् [aikyam] アイキャ と同じように派生した言葉です。
「ईश्वर [īśvara] イーシュワラ」(権力者)という言葉に、
「ष्यञ् [ṣyañ] 」(~である事)という接尾語が付いて、
ऐश्वर्य [aiśvarya] (アイシュワリヤ)になります。
「ष्यञ् [ṣyañ] 」(~である事)という接尾語で終わる言葉は、
中性名詞と決まっているので、
ऐश्वर्यम्, ऐश्वर्ये, ऐश्वर्याणि ... と中性名詞の活用をします。
アイシュワリヤの意味
「ईश्वर [īśvara] イーシュワラ」という言葉の意味は、前に勉強しましたが、
それに(~である事)という接尾語が付くと、どのように使われるのでしょうか。
バガヴァーンとは
「バガヴァーン」の定義に、ऐश्वर्य [aiśvarya] (アイシュワリヤ)が出てきます。
バガヴァーンとは、文字通りに解釈すると、”「バガ」を持っている者”となります。
では、その「バガ」とは何ぞや?という事になりますね。
「バガ」の意味とは、、、
その1:
ऐश्वर्यस्य समग्रस्य धर्मस्य यशसः श्रियः ।
ज्ञानवैराग्ययोश्चैव षण्णां भग इतीरणा ॥
aiśvaryasya samagrasya dharmasya yaśasaḥ śriyaḥ |
jñānavairāgyayoścaiva ṣaṇṇāṃ bhaga itīraṇā ||
この宇宙にある全ての、そして絶対的な、以下の6つの要素のことを「バガ」と呼びます。
- ऐश्वर्यम् [aiśvarya] (アイシュワリヤ)・・・ 絶対的な統治/コントロールする力
- धर्मः [dharmaḥ](ダルマ)・・・ 全ての秩序
- यशः [yaśaḥ](ヤシャス)・・・ 全ての名声
- श्रीः [śrīḥ](シュリー)・・・ 全ての富
- ज्ञानम् [jñānam] (ニャーナ)・・・ 全ての知識
- वैराग्यम् [vairāgyam](ヴァイラーギャ)・・・ 絶対的公平
「個人レベル」から、この6つを見てみましょう。
- ऐश्वर्यम् [aiśvarya] (アイシュワリヤ)・・・統治/コントロールする力
個人の場合で考えると、目の前に歩いている小さなアリンコさんに対して、私達は、アイシュワリヤを持っています。
しかし、アリンコさんが、耳の中に入ってしまうと、私達にはもう、アイシュワリヤはありません。
このアイシュワリヤを、絶対的レベルで有しているもの ― それは全体であり、法則そのものでしか有り得ません。
2. धर्मः [dharmaḥ](ダルマ)・・・ 秩序
サッティヤ(「ルタ」の項を参照)や、アヒムサー(「アウシャディー」の項で紹介予定)といった、価値や態度は、個人の場合だと、個人の限度や状況に応じて、妥協されまてしまいます。
個人の限度が無いのが、全体であり、絶対であるダルマです。
3. यशः [yaśaḥ](ヤシャス)・・・ 名声
個人の名声は、いろんな意味で限られていますね。その限度が無いのが全体です。
4. श्रीः [śrīḥ](シュリー)・・・ 富
これに関しては、個人の限度は分かりやすいですね。ここにある全ての富を指して、バガといいます。
5. ज्ञानम् [jñānam] (ニャーナ)・・・ 知識
個人の知識は限られています。この宇宙の表現の全ては知識であり、その知識全体を指して、バガと呼ぶのです。
6. वैराग्यम् [vairāgyam](ヴァイラーギャ)・・・ 公平
個人とは、沢山の好き嫌い=限度にまみれているので、公平さに欠けます。
全体の場合はその問題がありません。
これら6つの全体、そして絶対的レベルで有しているのが、バガヴァーンです。
その2:
話はぜんぜん変わりますが、南インドのケララ州の家庭の多くでは、
家屋の上部に、ラクシュミーの絵が飾られてあり、そこには、
「この家は、ラクシュミーのアイシュワリヤによって成り立っています」
と書かれているそうです。
伝統的なインドの文化では、結婚生活や、家庭を守っていく上で、
祈りの姿勢、つまりは「グレース」を認識する姿勢が、強調されています。
これも、家族や社会が、個人の為にうまく機能するための、ヴェーダ文化の智恵なのです。
結婚関係や家族関係が、
"個人の熱情や欲求を満たす事を目的とした関係”
ではなく、
"幸せを与えあいながら、成長できる関係”
として認識するには、ある程度の自分や世界についての理解が必要です。
自分は本当は何を求めているのか?
人間としての本当のゴールとは?
世界は、私に対して、何の為にあるのか?
などの理解です。
どんな人間関係でも、そこに幸せや安定を探しているうちは、
いい気分と、がっかりした気分を交互に味わい続けるしかありません。
個人、宇宙全体の認識、祈り
「世界全体」という、もっと大きなヴィジョンを持つ為に、「祈り」があります。
大きなヴィジョンを持ちながら、人間関係を築く時、そこには、
責任感があり、宇宙全体に対する信頼感があり、
本当の意味での、心の平和があります。
このような祈りを思い出させてくれるような習慣が、
家庭の中で代々伝わっている文化は素晴らしいです。
この文化がこれからも伝わりますように。
== ऐश्वर्यम् [aiśvaryam] - アイシュワリヤ が使われている文献 ==
ダクシナームールティ・ストートラム 最終節
सर्वात्मत्वमहाविभूतिसहितं स्यादीश्वरत्वं स्वतः
सिद्ध्येत् तत्पुनरष्टधा परिणतं चैश्वर्यमव्याहतम् ।
sarvātmatvamahāvibhūtisahitaṃ syādīśvaratvaṃ svataḥ
siddhyet tatpunaraṣṭadhā pariṇataṃ caiśvaryamavyāhatam |
ダクシナームールティ・ストートラムについて、プージャスワミジのレクチャーを元に、
意味だけでなく、文法的詳細を展開した本を書きました。
書き出すと長くなるので、この節の意味はまた今度。。。
<< 前回の言葉 17.ऐक्यम् [aikyam] - アイキャ <<
ひとつであること
>> 次回 19.アウシャディー औषधी - [auṣadhī] >>
薬草、ハーブ、野菜、食べ物を表すサンスクリットの言葉です。