मन्त्रः
[mantraḥ]
マントラとは通常、ヴェーダの言葉を指します。
ヴェーダは言葉の集まりからなる文章によって伝えられる知識の集合体です。
最近は日本のヨガクラスでも、マントラを教えるところが増えてきましたが、
マントラの神聖さを知り、不用意に取り扱わないよう、充分気をつける必要があります。
「秘かに唱えられるもの、それがマントラ」
मन्त्र्यते गुप्तं परिभाष्यते इति मन्त्रः ।
なぜ秘密なのかというと、歌のように皆の前で歌ったり、
靴を履いたまま歩きながら、または食べている途中に口ずさんだり、
そんな風に気軽に唱えるものではないからです。
先生からもらったマントラは、何をもらったのかを人に教えることはありません。
それを繰り返し唱える(ジャパ)のも、独りで静かにするものです。
また、マントラを書き記した紙や本を床に置いたり、
食堂に持ち込んだり、足に触れたりすることもありません。
また、マントラの意味は、意味を知りたいと思った人が、
伝統によってその意味を受け継いだ人に教えを仰ぎ、
意味を知る準備が出来ていたら、知ることが出来ると言うようなものなのです。
覚える(心の中で繰り返す)ことによって守ってくれる(恩恵を与えてくれる)もの
[mantraḥ]
masculine - マントラ、ヴェーダの言葉
マントラとは通常、ヴェーダの言葉を指します。
ヴェーダは言葉の集まりからなる文章によって伝えられる知識の集合体です。
最近は日本のヨガクラスでも、マントラを教えるところが増えてきましたが、
マントラの神聖さを知り、不用意に取り扱わないよう、充分気をつける必要があります。
さわらぬ神に祟り無し
マントラは、サンスクリットの正確な発音に加え、
微妙で緻密な音の抑揚を守って唱えられなければなりません。
微妙で緻密な音の抑揚を守って唱えられなければなりません。
マントラを唱えることによって発せられた、この特定の周波数が、
物理的に結果を生むことから、間違えて発音すると不本意な結果を招くと教えられています。
ゆえに、マントラを勉強するには発声法とサンスクリット文法を熟知している必要があると
伝統で教えられいます。
ゆえに、マントラを勉強するには発声法とサンスクリット文法を熟知している必要があると
伝統で教えられいます。
日本やインドなど世界中の(有名な)ヨガスクールでは、
サンスクリットの伝統を知らないティーチャー達によって、
ヴェーダの神聖なマントラが、間違った発音のみならず、
サンスクリットの伝統を知らないティーチャー達によって、
ヴェーダの神聖なマントラが、間違った発音のみならず、
抑揚も長さも全くトンチンカンでとんでもない節回し(?)で唱えられています。
ガーヤットリー・マントラの項で説明したように、
チャンティングするには、生まれ育ちはもちろん、
24時間の生活基準を守っている必要があります。
これから少しずつ、シュローカとその意味について紹介する機会を増やしますね。
マントラは、本やインターネットに書いてあるものを見て、
まねて発音してみて、それで正しい効果を発揮するものではありません。
マントラをカタカナで表記して、それを唱えるように勧めるサイトをいくつか見かけますが、
無理があります。
カタカナに頼らなくても良いくらいにきちんと発音のことを学んでから、
マントラを唱えるかどうかを考えたほうが良いでしょう。
それが何千年にも渡って伝えられてきた伝統に対する尊敬の姿勢です。
マントラというものは、先生から直接「マントラ・ディクシャ」として授かって初めて、
そのマントラを唱えることが出来るのです。
「マントラ・ディクシャ」とは、まず生徒が先生にマントラの教えを乞い、
そして先生が、人生の中で何十万回と繰り返して
ポテンタイズ(有効化)してきたマントラを、生徒に授けるものです。
正しい先生なら、ポテンタイズしていないマントラを生徒にあげることはしません。
そして生徒も、授かったマントラをジャパ(毎日何回も唱えること)して、
ポテンタイズしていくものなのです。
何をもらっても、それを一生かけて続けることが、自然であるように思える、
そんな信頼を、先生に対して持つことの出来る人が「生徒」なのです。
ガーヤットリー・マントラの項で説明したように、
チャンティングするには、生まれ育ちはもちろん、
24時間の生活基準を守っている必要があります。
この人達みたいに。 |
宗教的な生活基準がなく、複雑な発音の苦手な日本人が、
祈りの歌のような感覚で手を出すと、不本意な結果を生みかねません。
祈りはマントラでなくても、誰でもチャンティング出来るシュローカが沢山あります。祈りの歌のような感覚で手を出すと、不本意な結果を生みかねません。
これから少しずつ、シュローカとその意味について紹介する機会を増やしますね。
マントラとは、先生から授かるもの
マントラは、本やインターネットに書いてあるものを見て、
まねて発音してみて、それで正しい効果を発揮するものではありません。
マントラをカタカナで表記して、それを唱えるように勧めるサイトをいくつか見かけますが、
無理があります。
カタカナに頼らなくても良いくらいにきちんと発音のことを学んでから、
マントラを唱えるかどうかを考えたほうが良いでしょう。
それが何千年にも渡って伝えられてきた伝統に対する尊敬の姿勢です。
マントラというものは、先生から直接「マントラ・ディクシャ」として授かって初めて、
そのマントラを唱えることが出来るのです。
「マントラ・ディクシャ」とは、まず生徒が先生にマントラの教えを乞い、
そして先生が、人生の中で何十万回と繰り返して
ポテンタイズ(有効化)してきたマントラを、生徒に授けるものです。
正しい先生なら、ポテンタイズしていないマントラを生徒にあげることはしません。
そして生徒も、授かったマントラをジャパ(毎日何回も唱えること)して、
ポテンタイズしていくものなのです。
何をもらっても、それを一生かけて続けることが、自然であるように思える、
そんな信頼を、先生に対して持つことの出来る人が「生徒」なのです。
マントラの意味1:文法的派生
「秘かに唱えられるもの、それがマントラ」
मन्त्र्यते गुप्तं परिभाष्यते इति मन्त्रः ।
मन्त्रिँ गुप्तपरिभाषणे
「こっそり秘かに呟く」という意味の動詞の原型、「マントル(मन्त्र् [mantr])」から派生しています。
靴を履いたまま歩きながら、または食べている途中に口ずさんだり、
そんな風に気軽に唱えるものではないからです。
先生からもらったマントラは、何をもらったのかを人に教えることはありません。
それを繰り返し唱える(ジャパ)のも、独りで静かにするものです。
また、マントラを書き記した紙や本を床に置いたり、
食堂に持ち込んだり、足に触れたりすることもありません。
また、マントラの意味は、意味を知りたいと思った人が、
伝統によってその意味を受け継いだ人に教えを仰ぎ、
意味を知る準備が出来ていたら、知ることが出来ると言うようなものなのです。
マントラの意味2:通用的派生
覚える(心の中で繰り返す)ことによって守ってくれる(恩恵を与えてくれる)もの
मननात् त्रायते ।
タイッティリーヤ・ウパニシャッドの2章で教えられているように、
マントラは、マインドの中で繰り返すという行為をするためのものです。
心を使って唱えるという行為が、グレース(プンニャ)を発生し、
その人を人生をより幸せに導いてくれるのです。
マントラを使用する時(儀式の時、ジャパをする時)に、その意味を思い出させるもの
प्रयोगकालसमवेतार्थस्मारकाः मन्त्राः ।
マントラに限らず、インドの学習法とは何でもそうですが、
まず意味は分からなくてもいいから、発音を学び暗記する。
そして意味を教えてもらう。
意味は一回教えてもらえば分かった気になりますが、
マントラを唱えることが日常であるヴェーダの教える生活様式を送っていると、
マントラを唱えるたびにその意味を思い出させてくれ、
またマントラのグレースによって得られた精神的な成長によって、
意味の理解に深みが増すのです。
<< 前の言葉 51.サーダカ(साधकः [sādhakaḥ])<<
使い方を間違えば、人生のゴールと、今ここに居る自分の間に、永遠の距離を作ってしまうかも知れない言葉は沢山あります。気をつけましょう。
>> 次回 53.プラマーナ(प्रमाणम् [pramāṇam])>>
プラマーナとは、何かを知る時に必ず使う、知るため為の手段です。
プラマーナにはどのような種類があるのか?
自分自身を知るときには、どのプラマーナを使うべきか?
専門的な議論をやさしく解説します。
<< 目次へ戻る <<
タイッティリーヤ・ウパニシャッドの2章で教えられているように、
マントラは、マインドの中で繰り返すという行為をするためのものです。
心を使って唱えるという行為が、グレース(プンニャ)を発生し、
その人を人生をより幸せに導いてくれるのです。
マントラの意味3:技術的な意味
マントラを使用する時(儀式の時、ジャパをする時)に、その意味を思い出させるもの
प्रयोगकालसमवेतार्थस्मारकाः मन्त्राः ।
マントラに限らず、インドの学習法とは何でもそうですが、
まず意味は分からなくてもいいから、発音を学び暗記する。
そして意味を教えてもらう。
意味は一回教えてもらえば分かった気になりますが、
マントラを唱えることが日常であるヴェーダの教える生活様式を送っていると、
マントラを唱えるたびにその意味を思い出させてくれ、
またマントラのグレースによって得られた精神的な成長によって、
意味の理解に深みが増すのです。
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使い方を間違えば、人生のゴールと、今ここに居る自分の間に、永遠の距離を作ってしまうかも知れない言葉は沢山あります。気をつけましょう。
>> 次回 53.プラマーナ(प्रमाणम् [pramāṇam])>>
プラマーナとは、何かを知る時に必ず使う、知るため為の手段です。
プラマーナにはどのような種類があるのか?
自分自身を知るときには、どのプラマーナを使うべきか?
専門的な議論をやさしく解説します。
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