एव
[eva]
エーヴァ(एव [eva] )は、とても頻繁に使われる言葉のひとつです。
この言葉は活用変化しません。
活用変化しない言葉は、アッヴャヤ(अव्ययम् [avyayam] )
と呼ばれます。
これは、一番最初の、अथ [atha] で見ましたね。
日本語では表現しにくい言葉ですが、意味は、英語の「only」に近いと言えます。
日本語だと、~だけ、~のみ、となりますが、
強調の意味も含まれています。
カテゴリカリーには言えませんが、
エーヴァ(एव [eva] )には3つの意味があると言われています。
よくある例:
「ほら貝(शङ्खः)は白色(पाण्डुरः)と決まっている」
शङ्खः पाण्डुर एव ।
śaṅkhaḥ pāṇḍura eva |
白色以外の可能性を打ち消すために、エーヴァ(एव [eva] )が使われています。
(अयोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
よくある例:
「アルジュナ(पार्थः)こそが、弓を持つ者(धनुर्धरः)と呼ばれるべき」
पार्थ एव धनुर्धरः ।
pārtha eva dhanurdharaḥ |
アルジュナとは、バガヴァッド・ギーターの主人公で、
クリシュナから教えをもらう戦士です。
アルジュナでなくても、誰でも弓を持つことが出来ます。
弓を持つ者が大勢いる中で、アルジュナこそが「弓を持つ者」という名にふさわしい、
ということです。
(अन्ययोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
よくある例:
「青い(नीलं)蓮の花(सरोजं)は有ります」
नीलं सरोजं भवति एव।
nīlaṃ sarojaṃ bhavati eva |
「聞く人の考えでは、青い蓮の花など有り得ない」ということを、
話す側の人は知っているのです。
「いえ、そんな事はありません。青い蓮の花はありますよ!」
という時に、エーヴァ(एव [eva] )が使われます。
(अत्यन्तायोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
また、エーヴァ(एव [eva] )は、पादपूरणम् [pādapūraṇam] といって、
文字数の決まった詩節を完成させる為に、足りない数の埋め合わせにもよく使われます。
この知識はよく役に立っています。
プージャ・スワミジから教わった知識だからでしょう。
無駄な事を教えないスワミジってやっぱりすごい!
== एव [eva] - エーヴァが使われている文献 ==
एकमेवाद्विटियम् ।
ekamevādviṭiyam |
ひとつ(एकम् [ekam])のみ(एव [eva])、
ふたつ目は無い(अद्वितीयम् [advitīyam])。
とても有名な一句です。
ひとつしか無くて、何かいいことあるの?
世の中には無数の形や色や出来事があるのに、なんで、ひとつしかないって言えるの?
ふたつ目は無くても、三つ目はあるの?
単純な質問なようですが、その答えには人間として知るべき、重大な事実があるのです。
答えについては、何かの機会にゆっくりお話出来たらいいです。
इन्द्रियार्थेषु वैराग्यम् अनहङ्कार एव च ।
indriyārtheṣu vairāgyam anahaṅkāra eva ca |
感覚器官の対象物への興味や執着は、精神的成長によって無くなり、
我こそがというエゴも無く、、、
ここでの「エーヴァ(एव [eva] )」は、先ほどのपादपूरणम् [pādapūraṇam] というテクニックで、詩節の文字数を満たすために有るだけで、意味はありません。
<< 前回の言葉 12. リク(リグ)ऋक् [ṛk] <<
ヴェーダのマントラという意味のサンスクリット語です。
>> 次回の言葉 14.エーシャ(एषः [eṣaḥ])>>
[eva]
indeclinable - ~だけ、~のみ
エーヴァ(एव [eva] )は、とても頻繁に使われる言葉のひとつです。
この言葉は活用変化しません。
活用変化しない言葉は、アッヴャヤ(अव्ययम् [avyayam] )
これは、一番最初の、अथ [atha] で見ましたね。
日本語では表現しにくい言葉ですが、意味は、英語の「only」に近いと言えます。
日本語だと、~だけ、~のみ、となりますが、
強調の意味も含まれています。
カテゴリカリーには言えませんが、
エーヴァ(एव [eva] )には3つの意味があると言われています。
その音自体が吉兆とされる、ほら貝 |
1.それしかあり得ない
よくある例:
「ほら貝(शङ्खः)は白色(पाण्डुरः)と決まっている」
शङ्खः पाण्डुर एव ।
śaṅkhaḥ pāṇḍura eva |
白色以外の可能性を打ち消すために、エーヴァ(एव [eva] )が使われています。
(अयोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
2.同じ種類のものが沢山ある中で、これこそが
よくある例:
「アルジュナ(पार्थः)こそが、弓を持つ者(धनुर्धरः)と呼ばれるべき」
पार्थ एव धनुर्धरः ।
pārtha eva dhanurdharaḥ |
アルジュナとは、バガヴァッド・ギーターの主人公で、
クリシュナから教えをもらう戦士です。
アルジュナでなくても、誰でも弓を持つことが出来ます。
弓を持つ者が大勢いる中で、アルジュナこそが「弓を持つ者」という名にふさわしい、
ということです。
(अन्ययोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
3.なかなか起き得ない事が起きている
よくある例:
「青い(नीलं)蓮の花(सरोजं)は有ります」
नीलं सरोजं भवति एव।
nīlaṃ sarojaṃ bhavati eva |
「聞く人の考えでは、青い蓮の花など有り得ない」ということを、
話す側の人は知っているのです。
「いえ、そんな事はありません。青い蓮の花はありますよ!」
という時に、エーヴァ(एव [eva] )が使われます。
(अत्यन्तायोगव्यवच्छेदबोधक एवकारः)
「エーヴァ(एव [eva] )には3つの種類がある」という知識が、
直接役に立ったと思える機会がまだないのですが。
これは、プージャ・スワミジに教えてもらった知識では無いので、そのせいかも知れません。
また、エーヴァ(एव [eva] )は、पादपूरणम् [pādapūraṇam] といって、
文字数の決まった詩節を完成させる為に、足りない数の埋め合わせにもよく使われます。
この知識はよく役に立っています。
プージャ・スワミジから教わった知識だからでしょう。
無駄な事を教えないスワミジってやっぱりすごい!
== एव [eva] - エーヴァが使われている文献 ==
チャーンドーギャ・ウパニシャッド
6章2節1句ekamevādviṭiyam |
ひとつ(एकम् [ekam])のみ(एव [eva])、
ふたつ目は無い(अद्वितीयम् [advitīyam])。
とても有名な一句です。
ひとつしか無くて、何かいいことあるの?
世の中には無数の形や色や出来事があるのに、なんで、ひとつしかないって言えるの?
ふたつ目は無くても、三つ目はあるの?
単純な質問なようですが、その答えには人間として知るべき、重大な事実があるのです。
答えについては、何かの機会にゆっくりお話出来たらいいです。
バガヴァッド・ギーター 13章8節
इन्द्रियार्थेषु वैराग्यम् अनहङ्कार एव च ।
indriyārtheṣu vairāgyam anahaṅkāra eva ca |
感覚器官の対象物への興味や執着は、精神的成長によって無くなり、
我こそがというエゴも無く、、、
ここでの「エーヴァ(एव [eva] )」は、先ほどのपादपूरणम् [pādapūraṇam] というテクニックで、詩節の文字数を満たすために有るだけで、意味はありません。
<< 前回の言葉 12. リク(リグ)ऋक् [ṛk] <<
ヴェーダのマントラという意味のサンスクリット語です。
>> 次回の言葉 14.エーシャ(एषः [eṣaḥ])>>