ऋक्
[ṛk]
ヴェーダのマントラを指す言葉です。
ऋच्छति स्तौति इति ऋक् । ṛcchati stauti iti ṛk |
「賛美する」のが「リク」、すなわちマントラです。
誰を賞賛しているのかと言うと、デーヴァター達です。
デーヴァター達とは、重力や、生理機能や、心理機能という形で、
宇宙全体で働き続けている、様々な法則のことです。
「ヴァルナ」と言う名の水のデーヴァターは、浄化作用を主に担当しています。
「ヴァーユ」と言う名の風のデーヴァターは、動力を担当しています。
知識のデーヴァターは、「メーダー」と言う女神です。
彼女の担当は、3つ。
1.知識の正しい把握と理解、
2.その記憶、
3.そして、記憶した事を必要な時に取り出せる力
です。
ちなみにこれは、プージャ・スワミジが、私にくれた名前です。
太陽神「スーリヤ」は視覚担当、火の神様「アグニ」はメッセンジャー。
皆、365日休み無く、宇宙全体で、私達の身体の中でも、働き続けてくれているのです。
私達の身体や心、家族や社会が健康に機能し、
雨風や森や海や星が、私達の幸せを支えてくれるように機能しているのは、
全て、デーヴァター達の働きのおかげです。
そんなデーヴァター達に、「有難うございます。これからも何かとどうかよろしくお願いします。」
という気持ちの表現が、「デーヴァター達への賞賛・賛美」なのです。
誰だって、「あなたって素敵!出来る人ね!」と褒められると、やる気が出てくるものです。
ましてや、贈り物を捧げられたり、特別に優待されたら、もう、何が何でも張り切ってしまうものです。
それは、人間はもちろん、動物だって、植物だって、そしてデーヴァターだって同じ事です。
生きているものは全て、褒められたいものだっていうのは、面白い事実ですね。
褒め方にもいろいろあって、下手な事を言って、カチンとこられては大変ですから、
「こういう風に賛美すればよい」と教えてくれているマニュアルが、ヴェーダなのです。
こう書くと、おべっかを使って、自分の思うように物事を動かそうとしているように見えますが、
もし、動機がそうであっても、最初はそれで構わないのです。
デーヴァターへの賛美の言葉や贈り物を捧げているうちに、
全ての中にデーヴァターを見られるようになるのです。
普通誰もが持っている、「自分が頑張ってやっている!」という態度や、
「世界VS自分」という、緊張とストレス、アップ&ダウンの人生観から、
「全てはデーヴァターによって動かされている」
「自分の能力も、功績も、全てはデーヴァターの働き」という、
謙虚で、視野の広い世界観にシフトして行くのです。
この世界観のみが、本当の意味で平和で、客観的な心を作ってくれるのです。
それは、一日にして成るものではありません。
毎日の生活の中で、デーヴァターと正しく関わり続ける為の生き方を、
ヴェーダは教えてくれているのです。
ヴェーダは、言葉から成る文章によって構成されています。
ヴェーダの中の、韻文の一句の単位を、ऋक् [ṛk] (リク)と呼びます。
「シュルティ(ヴェーダのこと)」や「ウパニシャッド」が
女性名詞であるように、「リク」もやはり女性名詞です。
前回の「ウマー」でも見たように、知識を授ける役割の象徴は、女性なのですね。
Compassion(救いたいと願う深い思いやり)に溢れる、
母のような存在が、知識の女神、サラスヴァッティーです。
「シュルティ」は、「あなた自身の幸せを願う母親の100倍の存在」という言葉で説明されます。
幸せの追求において、無知や混乱にまみれているが故に、人々は奔走を続けます。
その中で稀に、「自分ではどうにもならない」ことを見極め、助けを求める人がいます。
助けを求めに来た人に対して、
「お馬鹿な事ばっかり繰り返してるから、こんな事になるんでしょ!もう知らない!」
と見捨てる事をせず、
「仕方ないわねぇ」と、
何回でも解かるチャンスを与えてくれるのが、
Compassion溢れる母親である、「シュルティ」なのです。
そして、シュルティの中にある、マントラ(韻文)の部分が「リク」と呼ばれるのです。
== ऋक् [ṛk] - リク(リグ)が使われている文献 ==
वेद्यं पवित्रमोङ्कार ऋक्साम यजुरेव च ॥
vedyaṃ pavitramoṅkāra ṛksāma yajureva ca ||
私(バガヴァーン)は、知られるべきもの(vedyaṃ)である。
それは、全てであり(oṅkāraḥ)、その知識は知る人を清める(pavitram)
(つまり、知る人の本質が、何からも影響を与えられないブランマンだと分かる)。
そして、私はリグヴェーダであり、サーマヴェーダ、ヤジュルヴェーダである。
(知識を教える知識体系である。)
<< 前回の言葉 11.ルタ(ऋतम् [r̥tam])<<
真実という意味のサンスクリット語。
ルタとサッティヤ、2ステップの真実の意味を説明します。
>> 次回の言葉 13.エーヴァ(एव [eva])>>
「~だけ」と限定するサンスクリット語です。
インド哲学では限定にも何種類もあるのですよ。
[ṛk]
feminine - マントラ、韻文
ヴェーダのマントラを指す言葉です。
パームリーフに書かれた文献 |
リグの語源
ऋच्छति स्तौति इति ऋक् । ṛcchati stauti iti ṛk |
「賛美する」のが「リク」、すなわちマントラです。
誰を賞賛しているのかと言うと、デーヴァター達です。
ヴェーダに登場するデーヴァターとは
デーヴァター達とは、重力や、生理機能や、心理機能という形で、
宇宙全体で働き続けている、様々な法則のことです。
「ヴァルナ」と言う名の水のデーヴァターは、浄化作用を主に担当しています。
「ヴァーユ」と言う名の風のデーヴァターは、動力を担当しています。
知識のデーヴァターは、「メーダー」と言う女神です。
彼女の担当は、3つ。
1.知識の正しい把握と理解、
2.その記憶、
3.そして、記憶した事を必要な時に取り出せる力
です。
ちなみにこれは、プージャ・スワミジが、私にくれた名前です。
太陽神「スーリヤ」は視覚担当、火の神様「アグニ」はメッセンジャー。
光に関わる原理、つまり視覚、言語伝達、 間違った認識を燃やし尽くし、正しい理解を照らす、 太陽神「スーリャ」 |
火の儀式で、捧げられたものを燃やし、 各デーヴァターに向けて届けて回るのがアグニのお仕事。 走るのが速いことになっているのだけれど、迅速感あふれる絵はみつかりません。 誰か描いてください! |
デーヴァター達との正しい関わりあい方を教えるのが聖典ヴェーダ
皆、365日休み無く、宇宙全体で、私達の身体の中でも、働き続けてくれているのです。
私達の身体や心、家族や社会が健康に機能し、
雨風や森や海や星が、私達の幸せを支えてくれるように機能しているのは、
全て、デーヴァター達の働きのおかげです。
そんなデーヴァター達に、「有難うございます。これからも何かとどうかよろしくお願いします。」
という気持ちの表現が、「デーヴァター達への賞賛・賛美」なのです。
誰だって、「あなたって素敵!出来る人ね!」と褒められると、やる気が出てくるものです。
ましてや、贈り物を捧げられたり、特別に優待されたら、もう、何が何でも張り切ってしまうものです。
それは、人間はもちろん、動物だって、植物だって、そしてデーヴァターだって同じ事です。
生きているものは全て、褒められたいものだっていうのは、面白い事実ですね。
褒め方にもいろいろあって、下手な事を言って、カチンとこられては大変ですから、
「こういう風に賛美すればよい」と教えてくれているマニュアルが、ヴェーダなのです。
デーヴァへの賛美とは?
こう書くと、おべっかを使って、自分の思うように物事を動かそうとしているように見えますが、
もし、動機がそうであっても、最初はそれで構わないのです。
デーヴァターへの賛美の言葉や贈り物を捧げているうちに、
全ての中にデーヴァターを見られるようになるのです。
普通誰もが持っている、「自分が頑張ってやっている!」という態度や、
「世界VS自分」という、緊張とストレス、アップ&ダウンの人生観から、
「全てはデーヴァターによって動かされている」
「自分の能力も、功績も、全てはデーヴァターの働き」という、
謙虚で、視野の広い世界観にシフトして行くのです。
この世界観のみが、本当の意味で平和で、客観的な心を作ってくれるのです。
それは、一日にして成るものではありません。
毎日の生活の中で、デーヴァターと正しく関わり続ける為の生き方を、
ヴェーダは教えてくれているのです。
ヴェーダは、言葉から成る文章によって構成されています。
ヴェーダの中の、韻文の一句の単位を、ऋक् [ṛk] (リク)と呼びます。
子供の幸せを願い続け、「こうすればいいのよ」と教え続ける母、シュルティ(ヴェーダ)
「シュルティ(ヴェーダのこと)」や「ウパニシャッド」が
女性名詞であるように、「リク」もやはり女性名詞です。
前回の「ウマー」でも見たように、知識を授ける役割の象徴は、女性なのですね。
Compassion(救いたいと願う深い思いやり)に溢れる、
母のような存在が、知識の女神、サラスヴァッティーです。
「シュルティ」は、「あなた自身の幸せを願う母親の100倍の存在」という言葉で説明されます。
幸せの追求において、無知や混乱にまみれているが故に、人々は奔走を続けます。
その中で稀に、「自分ではどうにもならない」ことを見極め、助けを求める人がいます。
助けを求めに来た人に対して、
「お馬鹿な事ばっかり繰り返してるから、こんな事になるんでしょ!もう知らない!」
と見捨てる事をせず、
「仕方ないわねぇ」と、
何回でも解かるチャンスを与えてくれるのが、
Compassion溢れる母親である、「シュルティ」なのです。
そして、シュルティの中にある、マントラ(韻文)の部分が「リク」と呼ばれるのです。
== ऋक् [ṛk] - リク(リグ)が使われている文献 ==
バガヴァッド・ギーター9章17節
वेद्यं पवित्रमोङ्कार ऋक्साम यजुरेव च ॥
vedyaṃ pavitramoṅkāra ṛksāma yajureva ca ||
私(バガヴァーン)は、知られるべきもの(vedyaṃ)である。
それは、全てであり(oṅkāraḥ)、その知識は知る人を清める(pavitram)
(つまり、知る人の本質が、何からも影響を与えられないブランマンだと分かる)。
そして、私はリグヴェーダであり、サーマヴェーダ、ヤジュルヴェーダである。
(知識を教える知識体系である。)
<< 前回の言葉 11.ルタ(ऋतम् [r̥tam])<<
真実という意味のサンスクリット語。
ルタとサッティヤ、2ステップの真実の意味を説明します。
>> 次回の言葉 13.エーヴァ(एव [eva])>>
「~だけ」と限定するサンスクリット語です。
インド哲学では限定にも何種類もあるのですよ。