इह
[iha]
=== お勉強になりました。
全て頻出単語なので、サンスクリット語を勉強されている方は、メモっとくと良いですよ!
<< 前回の言葉 5.इदम् [idam] - イダム <<
この宇宙全て、私の身体も心も含めて、ここにある全ては、
「これ」と指をさせる対象物。
私はそれを対象化している、永遠の意識的主体。
>> 次の言葉 7.ईशः [īśaḥ] - イーシャ >>
唯一、絶対確実で信頼できるもの、
それは、この宇宙の法則。
その宇宙の法則に安心して委ねて生きる智慧を
教える為の言葉が、イーシャです。
[iha]
ind. ここ、この場所、これにおいて
この世が永遠でないように、天国も永遠ではない。
前回見た「イダム(इदम् [idam])」から派生した言葉です。
普通は、「別の場所/あの世/天国etc」とかと比較して、
「この場所/この世」、つまり今生きている世界を指す言葉です。
また、この体において、この生きている身体において、
つまり、「生きているうちに」、という意味でも使われます。
「人生のゴールは生きている内に達成するべき」
「死んでから行く天国は、ゴールじゃない。
だって、またこっちに帰ってくることになるだけだから。
1週間のハワイ旅行みたいに。」
यथा इह, तथा अमुत्र।
yathā iha, tathā amutra|
「ここ(इह [iha] )で通用するロジックは、あちら側(अमुत्र [amutra])でも通用する。」
この世の天国も、あの世の天国も、天国の定義は同じ。 「行っても、また元の世界に戻ってこないといけない場所、それが天国。」 |
yathā iha, tathā amutra|
「ここ(इह [iha] )で通用するロジックは、あちら側(अमुत्र [amutra])でも通用する。」
という時などに使われます。
サンスクリット文法的説明
ここからは文法のお話。===
इदम् という代名詞を第7格(~において)で活用すると、
अस्मिन् 7/1 , अनयोः 7/2 , एषु 7/3
と原形からはとてもかけ離れた形になります。
覚えるのが大変ですね。
もっと簡単な方法があります。
それは、「त्र [tra]」という接尾語を、代名詞の後ろにくっつけてしまえば、
第7格の意味はそのままに、活用しなくていい形(indeclinable)になるのです。
इदम् + त्र [tra]
= इह
って、これも原形を留めずに形が変わっているのですが。。。
そんなもんなんです。
以下のように、
代名詞+त्र [tra]
で、様々なindeclinable(活用しない、簡単な名詞)が作れるのです。
サルヴァ(सर्व [sarva]) 代名詞. 全て
サルヴァットラ(सर्वत्र [sarvatra] indeclinable.) 全てにおいて
エーカ(एक [eka]) 代名詞. ひとつ
エーカットラ(एकत्र [ekatra] indeclinable.) 一箇所で
アンニャ(अन्य [anya]) 代名詞. 別の
アンニャットラ(अन्यत्र [anyatra] indeclinable. )別の場所等において
タド(तद् [tad]) 代名詞. それ
タットラ(तत्र [tatra] indeclinable.)そこ
ヤド(यद् [yad]) 代名詞. それ(関係代名詞)
ヤットラ(यत्र [yatra] indeclinable.) そこ (関係代名詞)
エータド(एतद् [etad]) 代名詞. これ
アットラ(अत्र [atra] indeclinable.) ここ
全て頻出単語なので、サンスクリット語を勉強されている方は、メモっとくと良いですよ!
=== इह [iha] が使われいる文献 ===
タットヴァボーダ
इहामुत्रार्थफलोपभोगविरागः।
ihāmutrārthaphalopabhogavirāgaḥ|
”この世においても、あの世においても、
享楽や快適さといった結果を楽しむことについて
それらは、一時的なものであって、
本質的なものは与えてくれない、
ということを見抜いている事”
世界中の、天国に行くためにがんばってる人達は皆、
この本質が見抜けていないんですね。
科学や文学などで活躍している知的な人も沢山いるのに、、、。
明晰な頭脳に、天国行きを願うgullibleさが共存できるのは、
とても不思議です。
ケーナ・ウパニシャッド2章5節
इह चेदवेदीदथ सत्यमस्ति न चेदिहावेदीन्महती विनष्टिः ।
iha cedavedīdatha satyamasti na cedihāvedīnmahatī vinaṣṭiḥ |
”この世で(人間として生きている間に)(それを)知ったならば、
人間としてのゴールは達成された。
もし知ることが出来なければ、失うものは巨大だ。”
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この宇宙全て、私の身体も心も含めて、ここにある全ては、
「これ」と指をさせる対象物。
私はそれを対象化している、永遠の意識的主体。
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唯一、絶対確実で信頼できるもの、
それは、この宇宙の法則。
その宇宙の法則に安心して委ねて生きる智慧を
教える為の言葉が、イーシャです。