कौरवः
[kauravaḥ]
マハーバーラタの中では、クルという名の王家の出来事が語られています。
今でも、デリーから1時間くらいのところに、
「クル・クシェートラ(クルの地)」と呼ばれる、
マハーバーラタ戦争が行われたとされる歴史の地が残っています。
ギーターの最初のシュローカも、
「ダルマ・クシェートレー、クル・クシェートレー(धर्मक्षेत्रे कुरुक्षेत्रे)」
と盲目の王ドリタラーシュトラの質問から始まりますね。
「クル」という家系の名前に、
「その家系の子孫達」という意味の接尾語「ア」をつけて、
「カウラヴァ」という言葉が出来るのです。
いつもサンスクリット語と英語で式をザーッと書かせてもらっていますが、
今回は日本語で一緒にゆっくり見てみましょう。
「kuru(クル)」に「a(ア)」を足すと、
ヴリッディとは、「ā(アー)」「ai(アイ)」「au(アウ)」の
3つの母音の名前です。
「u(ウ)」に対応するヴリッディの音は「au(アウ)」です。
ゆえに、「ku(ク)」が「kau(カウ)」になるんですね。
ヴリッディは、文法的には3つの母音の名前ですが、
サンスクリット言語の通用では「繁栄」という意味なんですよ。
その名の通り、子孫繁栄ですね。
グナとは、「a(ア)」「e(エー)」「o(オー)」の
3つの母音の名前です。
参考までに。好奇心と時間のある人は、近い将来、一緒に勉強しましょうね。
कुरु + आम् + अण् 4.1.92 तस्यापत्यम् ।
कौरु + अ 7.2.117 तद्धितेष्वचामादेः ।
कौरो + अ 6.4.146 ओर्गुणः ।
कौरव् + अ 6.1.78 एचोऽयवायावः ।
パーンダヴァ VS カウラヴァ という親戚同士の戦いでした。
パーンダヴァは、パーンドゥの子供達、といっても直接血は繋がっていないのですが。
パーンドゥという言葉から派生して、パーンダヴァです。
長男: ユディシュティラ(युधिष्ठिरः [yudhiṣṭhiraḥ])
ヤマ(死神)のブレッシングによる。
次男: ビーマ(भीमः [bhīmaḥ ])
ヴァーユ(風神)のブレッシングによる。
三男: アルジュナ(अर्जुनः [arjunaḥ ])
インドラ(デーヴァターの王)のブレッシングによる。
四男: ナクラ(नकुलः [nakulaḥ ])
アシュヴィナクマーラ(デーヴァター達のお医者さん。双子)のブレッシングによる。
五男: サハデーヴァ(सहदेवः [sahadevaḥ ])
こちらもアシュヴィナクマーラのブレッシングによる。双子なので。
母親は、上の3男子がクンティー、下の2男子がマードゥリーです。
カウラヴァたちは彼らのいとこなので、パーンダヴァもカウラヴァに他ならないのですが、
対決しているということから、区別する為に分けて呼びます。
盲目の王である父親と、彼にあわせて目隠しをして付き添った盲目の母に育てられた
100人の子供は、王家を滅ぼす原因になりました。
両親の見守る目、賞賛の目が必要なんです。子供は。
自分と血は繋がっていませんが、縁で繋がっている子供達に毎日教えながら、
そんなことを本当につくづく感じます。
支援と言って、お金や物品を与えるのはいいですが、
毎日付き添って、愛情を注いであげられる大人がいないと意味がありません。
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蓮が喜ぶ優しい月明かり、という意味の単語です。
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人間のゴールがなぜ、「ひとつであること」なのか?
順を追って、理論的に説明します。
[kauravaḥ]
masculine - クル家の子孫
マハーバーラタ戦争が今まさに始まろうとしている時、 アルジュナが「人生の意味って?」という基本的な疑問にぶつかり、 今まで友達のように付き合っていたいとこのクリシュナに、 「私はあなたの生徒です」といいながら教えを請う場面。 |
マハーバーラタの舞台、クル家について
マハーバーラタの中では、クルという名の王家の出来事が語られています。
今でも、デリーから1時間くらいのところに、
「クル・クシェートラ(クルの地)」と呼ばれる、
マハーバーラタ戦争が行われたとされる歴史の地が残っています。
ギーターの最初のシュローカも、
「ダルマ・クシェートレー、クル・クシェートレー(धर्मक्षेत्रे कुरुक्षेत्रे)」
と盲目の王ドリタラーシュトラの質問から始まりますね。
クルからカウラヴァという言葉の派生
「クル」という家系の名前に、
「その家系の子孫達」という意味の接尾語「ア」をつけて、
「カウラヴァ」という言葉が出来るのです。
いつもサンスクリット語と英語で式をザーッと書かせてもらっていますが、
今回は日本語で一緒にゆっくり見てみましょう。
「kuru(クル)」に「a(ア)」を足すと、
1.最初の母音「u」にヴリッディが掛かります。
ヴリッディとは、「ā(アー)」「ai(アイ)」「au(アウ)」の
3つの母音の名前です。
「u(ウ)」に対応するヴリッディの音は「au(アウ)」です。
ゆえに、「ku(ク)」が「kau(カウ)」になるんですね。
ヴリッディは、文法的には3つの母音の名前ですが、
サンスクリット言語の通用では「繁栄」という意味なんですよ。
その名の通り、子孫繁栄ですね。
2.そして、最後の「u」にはグナが掛かる。
グナとは、「a(ア)」「e(エー)」「o(オー)」の
3つの母音の名前です。
「u(ウ)」に対応するヴリッディの音は「o」です。
ゆえに、「ru(ル)」が「ro(ロー)」になるんですね。
「o(オー)」のすぐ後ろに「a(ア)」が来たら、「av(アヴ)」ですね。
ゆえに、「ro(ロー)」が「rav(ラヴ)」になる。
そんなわけで、3つのステップで出来た音を組み合わせると、、、
「kau(カウ)」+「rav(ラヴ)」+「a(ア)」
=「kaurava(カウラヴァ)」!出来たね!
ゆえに、「ru(ル)」が「ro(ロー)」になるんですね。
3.最後の「o(オー)」が「av(アヴ)」になる。
「o(オー)」のすぐ後ろに「a(ア)」が来たら、「av(アヴ)」ですね。
ゆえに、「ro(ロー)」が「rav(ラヴ)」になる。
そんなわけで、3つのステップで出来た音を組み合わせると、、、
「kau(カウ)」+「rav(ラヴ)」+「a(ア)」
=「kaurava(カウラヴァ)」!出来たね!
参考までに。好奇心と時間のある人は、近い将来、一緒に勉強しましょうね。
कुरु + आम् + अण् 4.1.92 तस्यापत्यम् ।
कौरु + अ 7.2.117 तद्धितेष्वचामादेः ।
कौरो + अ 6.4.146 ओर्गुणः ।
कौरव् + अ 6.1.78 एचोऽयवायावः ।
マハーバーラタ戦争は、
パーンダヴァ VS カウラヴァ という親戚同士の戦いでした。
5人のパーンダヴァ達
パーンダヴァは、パーンドゥの子供達、といっても直接血は繋がっていないのですが。
パーンドゥという言葉から派生して、パーンダヴァです。
長男: ユディシュティラ(युधिष्ठिरः [yudhiṣṭhiraḥ])
ヤマ(死神)のブレッシングによる。
次男: ビーマ(भीमः [bhīmaḥ ])
ヴァーユ(風神)のブレッシングによる。
三男: アルジュナ(अर्जुनः [arjunaḥ ])
インドラ(デーヴァターの王)のブレッシングによる。
四男: ナクラ(नकुलः [nakulaḥ ])
アシュヴィナクマーラ(デーヴァター達のお医者さん。双子)のブレッシングによる。
五男: サハデーヴァ(सहदेवः [sahadevaḥ ])
こちらもアシュヴィナクマーラのブレッシングによる。双子なので。
カウラヴァたちは彼らのいとこなので、パーンダヴァもカウラヴァに他ならないのですが、
対決しているということから、区別する為に分けて呼びます。
100人のカウラヴァ達
盲目の王である父親と、彼にあわせて目隠しをして付き添った盲目の母に育てられた
100人の子供は、王家を滅ぼす原因になりました。
両親の見守る目、賞賛の目が必要なんです。子供は。
自分と血は繋がっていませんが、縁で繋がっている子供達に毎日教えながら、
そんなことを本当につくづく感じます。
支援と言って、お金や物品を与えるのはいいですが、
毎日付き添って、愛情を注いであげられる大人がいないと意味がありません。
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蓮が喜ぶ優しい月明かり、という意味の単語です。
>> サンスクリットを習い始めた人に、どうか知って欲しいあれこれ >>
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人間のゴールがなぜ、「ひとつであること」なのか?
順を追って、理論的に説明します。