2014年5月22日木曜日

25.キム(किम् [kim])- 何

किम्
[kim] 

neuter - 何



このサイトのラベル分けでは、中性名詞としましたが、

किम् [kim] - キム という名詞は、ありとあらゆる形に七変化します。


1.不活用名詞として、活用せずに使う 


किम् [kim] - キム という、活用しない形で肯定文の中で使われると、

「?」が付いた、疑問文になります。

किं त्वं गच्छसि। [kiṃ tvaṃ gacchasi|]  君、行くの?


2.疑問代名詞として、3つの性で活用して使う 


疑問の対象となる名詞の性に合わせて、さらに格と数にも合わせて使います。

=男性形の活用例=

सः 1/1 कः 1/1 [saḥ kaḥ] 彼は誰?

रामः  1/1 कान् 2/1 वदति III/1 [rāmaḥ kān vadati] ラーマは誰に話しているの?

रामः केन गच्छति [rāmaḥ kena gacchati] ラーマは誰と行くの?

=女性形の活用例=

सा 1/1  का 1/1 [sā kā] 彼女は誰?

रामः 1/1  कया 3/1 गच्छति III/1 [rāmaḥ kayā gacchati] ラーマは誰(女性)と行くの?

=中性形の活用例=

तत् 1/1 किम् 1/1 [tat kim ] あれは何?

कानि 1/3 फलानि 1/3 [kāni phalāni] 何の果物(複数)ですか?



3.複合語(サマーサ)にして使う



疑問詞を複合語にするなんて、英語や他のインドの言語でさえも、考えられない事だから、

インド人にも、外国人にも、これを教えるのには、ちょっと苦労と時間が必要なのです。

さすが、サンスクリットならでは!と思いきや、、、

日本語にも、「其奴、何奴?」とか「お前、何者?」などという、

疑問詞が含まれた複合語ありました!

日本語の場合だと、「何」と「奴」とか「者」は同格で解かり易いですね。

サンスクリット語の場合だと、

त्वं किमभिधानोऽसि । [tvaṃ kimabhidhāno'si]

意訳だと、「あなたの名前は何ですか?」
直訳だと、「あなたは、あなたの名前は何か、という人です。」

となります。

以下のふたつの言葉が複合語になっています。

1.किम् [kim]  何

2.अभिधानम् [abhidhānam] 名前

ふたつ併せると、「その人の名前は何?と言う人」という複合語になるのです。

日本語で書くとなんとなくチンプンカンプンですが、

英語もしくはサンスクリット語で書くともうちょっとすっきりします。

英語:The one whose name is "what"

サンスクリット語: किम् अभिधानं यस्य सः  किमभिधानः (बहुव्रीहिसमासः)

になります。


== किम् [kim] - キム が使われている文献 ==

バガヴァッド・ギーター4章16節

किं कर्म किमकर्मेति कवयोऽप्यत्र मोहिताः ।
तत्ते कर्म प्रवक्ष्यामि यज्ज्ञात्वा मोक्ष्यसेऽशुभात् ॥ ४.१६॥
kiṃ karma kimakarmeti kavayo'pyatra mohitāḥ |
tatte karma pravakṣyāmi yajjñātvā mokṣyase'śubhāt || 4.16||

何(kiṃ)がカルマ(行い)で、何(kiṃ)がアカルマ(行いの無い事)なのか、
詩人(知識層の人々)でさえも、このことについて混乱している。
それを知ったら、サムサーラから自由になるという、
そのカルマというものを、あなた(アルジュナ)に教えましょう。






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時間という、とても深い意味のサンスクリット語です。
ヤマという死神のお話、そして永遠について考えます

   
 

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