オレンジ
サンスクリット語: ナーランガ(nāraṅga)
スペイン語: ナランハ(naranja)
これ、すごくないですか?ジャングル並みの大発見でした。
これは、ヒンディー語やマラティ語で、ナーランギー(nāraṅgī)と呼ばれているのを知って、気づきました。
ちなみに、スペイン語では、Jの音は、喉から出る「ハ」の音になりますね。
ハポネッサ(日本人女性)とか。
ちょっと気になったので、ポルトガル語を調べてみると、laranja でした。
ん?Orangeに似てない?もしやと思い、Ok, google, とアシスタント機能を使って、
「オレンジ」は何というか?ポルトガルからインドまで、陸続きになている各国語の言葉と発音を調べてみました。(Google音声の英語版の精度はすごい!日本語版は改善の余地たっぷりすぎ。これからはどんどん音声で作業したい。じゃないと目が疲れすぎる。)
laranja (ポルトガル語, naranja(スペイン語), taronja (カタラン語), laranja(バスク語)
orange(フランス語), arancia (イタリア語),aurantiaco (ラテン語)
portokáli(ギリシャ語), portokalova (マセドニア語) , p’ort’okhali(ジョージア語)
ここなへんから全然違う音になる??
https://en.wikipedia.org/wiki/Orange_(fruit)#Etymology
調べてみると、こういうことでした。
オレンジの起源インド。語源はサンスクリット語のナーランガ(nāraṅga)から。
नारं गच्छति 等、ちょっとこじつけのようなサンスクリット語の定義もいくつかあります。
最初に欧州に持ち出したのは、ポルトガル商人だそうです。
ゆえに、ギリシャやスラブ語圏では、ポルトガルの~みたいな名前。
ペルシャ語やアラブ語でも、nārang/nāranj。
ちなみにインドでは、
nāraṅgī (クジュラート語、ヒンディー語、マラティ語)
nārin̄ja (テルグ語)ōṟañc(マレーヤラム語), ārañcu (タミル語) ここのCの音はJです。
不思議なのは、
kittale(カンナダ語)kamalā(ベンガル語)、オリアではどう言うのでしょうか?
バルミーズ以東は、全然ちがう音でした。
まだ、ヒンディーでは、サンタラーとも言います。その影響も近隣諸国で見られます。
この記事を書いている途中にテンプルに行ったとき、プリースト(祭司)からもらったプラサーダムもオレンジでした! |
足
サンスクリット語: パダ(pada)
フランス語: ピエ(pied)
そこから英語でも、ペディキュア、歩行者(pedestrian)、ペダル、等いろいろあります。
足に特化したお医者さんは、podiatristですね。
二本足(dvi-pad) とはサンスクリット語で、二足歩行する者=人間とか
四本足(catuṣ-pad) とはサンスクリット語で、四足歩行する者=動物とか
私の好きなシャンティ・パータのひとつに、どちらとも出て来て、
それらの幸福(スヴァスティ)が祈られています。
ちなみに、
三本足(tri-pad) とはサンスクリット語ではなぜか、木の種類らしい。
英語で「トライポッド」は、三脚のことですね。
百本足(centi-pede) は英語・フランス語共通で、ムカデ(百足)のこと。
千本足(milli-pede) は英語・フランス語共通で、ゲジゲジ(蚰蜒)(のこと。
どっちも同じだと思っていましたが、使い分けられているようですね。
今回調べてみて初めて知りました。
私の感覚では逆で、ムカデの方がゲジゲジよりも足が多いと思っていました。
でもまぁ、この名前の付け方も、実際の足の数を反映しているとは思いませんが。
最近雨季なので、こちらのインドの山奥のアシュラムでは、
いろんなサイズ・形のこの人たちがいっぱいいます。
ちょっとサンスクリット文法の話をさせてもらいますと、
ここで紹介した「数字+足」の複合語は、梵・日・英・仏、どれにおいても、
複合語が指している意味が、複合語中にある言葉の意味では無い、
という、「バフヴリーヒ」というタイプの複合語になります。
つまり、複合語の意味である、人とか動物とか、三脚もムカデもゲジゲジは、
複合語の前の部分の言葉の意味(数字)でもなければ、
複合語の後ろの部分の言葉の意味(足)でもない、
複合語の構成要素となっている言葉とは、別の言葉の意味になっている、
ということです。
サンスクリット語の複合語(サマーサと呼びます)の基礎知識だけをまとめた本を書くぞ!
少しの知識で、たくさんの愉しみが増えます。
部屋、ホール
サンスクリット語: シャーラー(śālā)
フランス語: サル(salle)
ヤッグニャ・シャーラー(儀式をする部屋)とか、
パータ・シャーラー(ヴェーダの勉強をする学校)とか言いますね。
salle de bain お風呂、salle à manger ダイニング・ルーム
ヤッグニャ・シャーラーはこんな感じ。クンバコーナムにて。 |
ヴェーダ・パータシャーラーでは、プランマチャーリン達がヴェーダの詠唱を先生から学びます。(自分で勝手に見様見真似で学ぶものではないですよ。) |
お金関係
サンスクリット語: アルジュ(arj) とは、「稼ぐ」という意味の動詞の原型。
フランス語: アルジャン(argent)とは、「お金、銀」という意味の名詞。
ちなみにフランス語で「働く」 は「トラヴァイエ travailler」ですね。
argent は銀という意味でもあります。 |
膝(ひざ)
サンスクリット語: ジャーヌ(jānu)
フランス語: ジュヌ(genou)
若者・若さ
サンスクリット語: ユヴァン(yuvan)
フランス語: ジュンヌ(jeune)
いろんな言語で、YとJはごっちゃになりますよね。
英語でも、リジュビネート(若返る)、ジュビナイル・コート(少年裁判所)とかありますね。
家族シリーズ
お母さん
サンスクリット語: マートゥル(matṛ)フランス語: メール(mère)
お父さん
サンスクリット語: ピトゥル(pitṛ)
フランス語: ペール(père)
お母さんをお父さんの前に持ってきたのは、
サンスクリット語の習慣に沿ってのことです。
「父母」を一語で表現する場合は、
「より尊敬されるものが前にくること」
というサンスクリット語の文法規定に従って、
「マーター・ピタラウ」 という形になります。
兄弟
サンスクリット語: ブラートゥル(brātṛ)
英語: ブラザー(brother) フランス語: フレール(frère)
姉妹
サンスクリット語: スヴァスル(svasṛ)
英語: シスター(sister) フランス語: サール(soeur)
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