2015年3月20日金曜日

48.デーヴァター(देवता [devatā])- 法則を司る神

देवता 
[devatā]


feminine - 法則を司る神




デーヴァーターとは


この宇宙を宇宙たらしめている、絶対確固な法則の数々に、

名前をつけて認識したのが、デーヴァターです。

この宇宙全体と、その中にあるこの小さな私の心と体を、

どちらにも普遍にあるデーヴァターという側面から理解することは、

心と身体を健康に、客観的に、そして幸せに成長させる為に必要なことです。


宇宙にあまねく存在し、宇宙をミクロにマクロに動かしているデーヴァター達が、

あなたから距離0(ゼロ)の存在なのですよ、と知る為の仕掛けが、

ヴェーダの教える生活様式の中に、沢山ちりばめられているのです。


デーヴァターの語源


光ると言う意味の「ディヴ(दिव् [div])」という動詞の原型から成っています。

この世の者ではない、という意味と、光というと意識の光という意味があります。


デーヴァーターはどこにいる?


インドの伝統的な祈りには、デーヴァター達が沢山登場します。

今回紹介するのは、ルッドラというとても有名なシヴァのマントラを唱える前に、

その準備として、心身を清める為に唱えられる「ラグンニャーサ」という章です

清めるとは、自分の身体は祈りをするテンプル(神殿)なので、

各部位にデーヴァターを見て、神聖なものであると認識するということです。

下は「ラグンニャーサ」の中盤です。一緒に見てみましょう。


1:17から聞き始めてください。
書き落としのローマ字表記には間違いが多く見つかりますが、
ダクシナームールティの写真があるので、これを使いました。

प्रजनने ब्रह्मा तिष्ठतु । [prajanane brahmā tiṣṭhatu]
私の生殖器官に、ブランマー(創造を司るデーヴァター)がありますように。

バガヴァーンは、赤ちゃんを空からポトンと落として世に送ったりしません。

父親と母親を通して、さらに母親の痛み、献身、愛と喜びをセットにして、

新しい人間の身体をこの世に送り出します。

プージャスワミジがいつも言う、「親とはバガヴァーンのアソシエイト」のことです。

この仕組みの一環のシステムを総称して、創造のデーヴァター、ブランマーと呼ぶのです。

そのデーヴァターが、私のこの身体に存在している。

デーヴァターとあなたの距離が無いことを、知って欲しいのです。


पादयोर्विष्णुस्तिष्ठतु । [pādayorviṣṇustiṣṭhatu]
私の両足に、ヴィシュヌ(継続を司るデーヴァター)がありますように。

タットヴァボーダにもあるように、足のデーヴァターはヴィシュヌと決まっているみたいです。

हस्तयोर्हरस्तिष्ठतु । [hastayorharastiṣṭhatu]
私の両手に、ハラ(シヴァの別名)がありますように。

ハラとは、「持ち去る」という動詞の原型から来ています。

बाह्वोरिन्द्रस्तिष्ठन्तु । [bāhvorindrastiṣṭhantu]
私の両腕に、インドラ(力強さを司るデーヴァター)がありますように。

जठरेऽग्निस्तिष्ठतु । [jaṭhare'gnistiṣṭhatu]
私の消化器官に、アグニ(火、消化を司るデーヴァター)がありますように。

हृदये शिवस्तिष्ठतु । [hṛdaye śivastiṣṭhatu]
私の心臓に、シヴァ(吉兆という意味)がありますように。

कण्ठे वसवस्तिष्ठन्तु । [kaṇṭhe vasavastiṣṭhantu]
私の喉に、8人のヴァス神たち(元素、要素のデーヴァター)がありますように。

वद्त्रे सरस्वती तिष्ठतु । [vadtre sarasvatī tiṣṭhatu]
私の口に、サラッスヴァティー(言語、知恵を司るデーヴァター)がありますように。

नासिकयोर्वायुस्तिष्ठतु । [nāsikayorvāyustiṣṭhatu]
私の両鼻に、ヴァーユ(風、空気、動きを司るデーヴァター)がありますように。

नयनयोश्चन्द्रादित्यौ तिष्ठेताम् । []
私の両目に、チャンドラ(月)とアーディッティヤ(太陽)
(視覚を司るデーヴァター)がありますように。

कर्णयोरश्विनौ तिष्ठेताम् । [karṇayoraśvinau tiṣṭhetām]
私の両耳に、アシュヴィン(双子の医療を司るデーヴァター)がありますように。

ललाटे रुद्रास्तिष्ठन्तु । [lalāṭe rudrāstiṣṭhantu]
私の額に、ルッドラ(怒りのデーヴァター)がありますように。

मूर्ध्न्यादित्यास्तिष्ठन्तु । [mūrdhnyādityāstiṣṭhantu]
私のつむじに、12のアーディッティヤ(知性の光のデーヴァター)がありますように。

शिरसि महादेवस्तिष्ठतु । [śirasi mahādevastiṣṭhatu]
私の頭に、マハーデーヴァ(デーヴァターを司るデーヴァター)がありますように。

शिखायां वामदेवस्तिष्ठतु । [śikhāyāṃ vāmadevastiṣṭhatu]
私のシカーに、ヴァーマデーヴァ(シヴァの姿の一つ)がありますように。

シカーとはですね、別名チョティです。こんな感じです。
シカー、もしくはチョティと呼ばれる、一束の毛髪。
ヒンドゥーの男子に義務付けられている。
でも現代インド人はそんなこと恥ずかしいことだと現代社会から教えられている。かっこいいのにね。
私の教え子のちびっ子達のシカーが見えますか?
あんまりいい写真が無くて、、
もう地球上に3つしか残っていないサーマヴェーダの小さなグループの将来を担う子達です。

पृष्ठे पिनाकी तिष्ठतु । [pṛṣṭhe pinākī tiṣṭhatu]
私の背後に、ピーナーキー(ピナーカという名の弓を持つシヴァの化身)がありますように。

पुरतः शूली तिष्ठतु । [purataḥ śūlī tiṣṭhatu]
私の前に、シューリー(剣をもつ、スブラマンニャ)がありますように。

पार्श्वयोः शिवाशङ्करौ तिष्ठेताम् । [pārśvayoḥ śivāśaṅkarau tiṣṭhetām]
私の両脇に、シヴァーとシャンカラ(シヴァ夫婦)がありますように。

सर्वतो वायुस्तिष्ठतु । [sarvato vāyustiṣṭhatu]
私の周りに、ヴァーユ(風と空気を司るデーヴァター)がありますように。

ततो बहिः सर्वतोऽग्निर्ज्वालामालापरिवृतस्तिष्ठतु । [tato bahiḥ sarvato'gnirjvālāmālāparivṛtastiṣṭhatu]
そしてその周りを、アグニ(火のデーヴァター )が、火の鎖で囲んでくれますように。

सर्वेष्वङ्गेषु सर्वा देवता यथास्थानं तिष्ठन्तु । [sarveṣvaṅgeṣu sarvā devatā yathāsthānaṃ tiṣṭhantu ]
私の体の全ての部位において、全てのデーヴァターが、あるべきところにありますように。

「ヤタースターナン(あるべきように)・ティシュタントゥ(ありますように)」は、
とても使える祈りです。

मां रक्षन्तु । [māṃ rakṣantu]
(全てのデーヴァター達が)私を守り、恩恵を与えてますように。

सर्वान् महान् जनान् रक्षन्तु ॥ [sarvān mahān janān rakṣantu]
そして全ての高貴な人間を守り、恩恵を与えますように。




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沈黙、言葉を制御するという意味の単語です。









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インドの伝統の聖典、知る手段という意味です。

聖典とは何か?
人間の幸せについて教えるのが聖典です。