2014年2月11日火曜日

10.ウマー(उमा [umā])- ウマー(パールヴァティの別称)

उमा 
[umā]


feminine - ウマー(パールヴァティの別称)






このブログ初の女性名詞です。

シヴァの伴侶、と言うよりもシヴァの半分、

と言うよりもシヴァと全く離れていない存在の女性です。



「ウマー」の語源 その1:



「ウ」は、シヴァ、パラメーシュワラを指します。

「マー」は、シャクティを表します。

「ウ」の「マー」で、「ウマー」です。

ओः मा, इति उमा। [oḥ mā, iti umā|]


シャクティ


女性というのは、シャクティ(शक्तिः [śaktiḥ] )の象徴です。

ここに在るもの全てを生み出し、動かし、

そして破壊する事により可能性の形に変えていく、

その「力」を、シャクティと呼びます。

存在するものは、あらゆる属性も持たない、

それゆえに、たった一つのアートマンだけなのに、

無数の事象が表現され続けているのは、

このウーマン・パワー、シャクティの仕業です。


シャクティの存在は、シヴァに頼っている


しかし、このシャクティは、それ自体の存在を有していません。

彼女の存在は、完全にシヴァという存在に頼っているのです。

それゆえに、シヴァと全く離れていないのです。

シヴァ自体では何も表現することも、知ることも出来無いので、

シャクティは、シヴァの「Better Half」です。

そして、この2人が揃って、この宇宙が生まれるので、

シヴァとシャクティは、この宇宙の両親です。

ヒンドゥーの神様が皆既婚者なのは、この事に所以しているのです。

シャクティには様々な側面があり、それに従って、

「カーリー」、「パールヴァティ」等、様々な名前で呼ばれます。

この「ウマー」という名前は、

シャクティの中でも、「知識のシャクティ」としての側面を代表しています。


知識の象徴、女神ウマー


ケーナ・ウパニシャッドの最後の方に、ウマーが登場します。

ウマーは知識の象徴として、光り輝く女性という姿で、

インドラ神の前に現れて、ブランマンの知識を乞う彼に、教えを与えます。

サンスクリット語では、知識、特にブランマンの知識を表す言葉は、

ヴィッディヤー、ウパニシャッド、シュルティ、etc...

ほとんどが女性形です。

反対に、知識を必要としている個人を表す言葉は、

ジーヴァ、プルシャ、アートマン、ムムクシュ、

そうですね、ほとんどが男性形です。

何だか象徴的ですね。


「ウマー」の語源 その2:


まだうら若い少女パールヴァティが、

シヴァのハートをゲットして、お嫁さんになりたいと強く願うようになり、

日中日夜、身体を酷使する苦行に励み出します。

それを心苦しく見守っている母親が、

「ウ(もう)、マー(止めて)!」

と言ったのが、彼女の名前になったそうです。



「ウマー」の語源 その3:



「ウマー」を分解して書くと、

「U」「M」「A」

ですね。

これを、並べ替えると、

「A」「U」「M」

になった!

3つ合わせて表記すると「ॐ」。それは、ブランマンの名前です。


= उमा [umā] (ウマー)が使われている文献 =

ケーナ・ウパニシャッド3章12節
これは、上でみました。

3章の話はとても面白く、深いので、また機会があれば、意味を紹介したいです。


ちなみに、「ウマー」を使ったシヴァの名前集:


उमा [umā] (ウマー)の ईशः [īśaḥ] (イーシャ、司る人)で、उमेशः [umeśaḥ](ウメーシャ)
グナのサンディが掛かってますね。

उमा [umā] (ウマー)の पतिः [patiḥ] (パティ、主人)で、उमापतिः [umāpatiḥ](ウマーパティ)

उमा [umā] (ウマー)の कान्तः [kāntaḥ] (カーンタ、愛されてる人)で、उमाकान्तः [umākāntaḥ](ウマーカーンタ)

なんか素敵ですね。。。




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真実という意味のサンスクリット語の単語です。