2014年2月5日水曜日

4. アーカーシャ(आकाशः [ākāśaḥ])- 空間、空、スペース

आकाशः
[ākāśaḥ]


m. 空間、空、スペース



アーカーシャ (空間)の定義


「アーカーシャ (आकाशः)」の定義としてよく言われるのが、

「全てのものに、場所を提供するもの」

「全てをaccommodate(受け入れてあげる)もの」です。

この宇宙にある全てのものは、

どんなに巨大でも、どんなに離れていても、

どんなに種類が多くても、全ては、

一つのスペースの中に収まっているんですね。


サンスクリットの「空間」の哲学的意味


サンスクリット語で、

壷(ガタ)のスペース(アーカーシャ)を、

「ガターカーシャ」といい、

全体(マハー)のスペース(アーカーシャ)を、

「マハーカーシャ」といいます。

壷の中にある小さなスペースは、

全体の無限のスペースと、一切離れていません。

壷という概念に沿って、

「小さなスペース」「大きなスペース」と言っていますが、

スペースそのものに着目すると、

あるのは、無限に広がるただ一つのスペースだけで、

それは、壷や、部屋の壁や、人間の身体に区切られることなく、

それらを突き抜けて、浸透して、

ただ一つの無限のスペースとして存在しているんですね。

そんな眺め方を助けてくれるために、

「ガターカーシャ」と「マハーカーシャ」という言葉があります。


「アーカーシャ(आकाशः )」の類義語


खम् [kham], नभः [nabhaḥ] (s-ending), व्योम [vyoma] (n-ending),

वियत् [viyat], गगनम् [gaganam](全て中性名詞)

などがあります。(अमरकोशःより)



=== आकाशः [ākāśaḥ ] が使われている文献 === 

パンチャダシー6章18節

घटाकाशमहाकाशौ ...
ghaṭākāśamahākāśau ...
意味は先に見た通りです。


タイッティリーヤ・ウパニシャッド第2章

तस्माद्वा एतास्मादात्मन आकशः संभूतः।
tasmādvā etāsmādātmana ākaśaḥ saṃbhūtaḥ|
それ(brahma)から、まさに、このアートマンから、空間が生まれた。

昨日のआत्मा [ātmā]からの続きです。
आकाशाद् वायुः । वायोरग्निः ।अग्नेरापः । अब्भ्यः पृथिवी। पृथिव्या ओषधयः । ओषधीभ्योऽन्नम् । अन्नात् पुरुषः।
ākāśād vāyuḥ | vāyoragniḥ |agnerāpaḥ | abbhyaḥ pṛthivī| pṛthivyā oṣadhayaḥ | oṣadhībhyo'nnam | annāt puruṣaḥ|
空間から空気、空気から火、火から水、水から土、土から植物、植物から食物、食物から人間、、、


私はこのタイッティリーヤ・ウパニシャッドが大好きで、

全章を暗記して、よくチャンティングしてました。

リシケシでこれをチャンティングしてると、

なぜがリス達がが寄って来て、

私を囲んで聞き惚れているようようでした。


永遠に対象化出来ない、主体である意識的な存在、
今ここに在る「私」について、その正体を明かします。